Admin/ 12月 31, 2017/ 2017年年末バヌアツ
今朝は、特に天気が良く快晴で海も穏やかでした。昨日は少し雨がパラパラ降りましたが、このご旅行中バヌアツは雨期であるにもかかわらず、今のところ天候には非常に恵まれています。これもひとえにご参加いただいた皆様の日ごろの行いが良いからにほかなりません。本当にありがとうございました。
さて、今日は午前中、ブラックマジックツアーと呼ばれるアトラクション(?)をお楽しみいただきました。ブラックマジックツアーは、いわばリアル・ディズニーランド的なアトラクションだと思えば楽しい観光になると思います。逆に、宗教的な、呪術的な、あるいは民族的なものを想像していると、想像とはかけ離れたものになると思います。
まず、入口でツアーのスタッフを待つこと20分。待ちくたびれたころにようやくスタッフのエリックが現れ、もっともらしい説明をし始めました。
(ここから先はネタバレになるので、これから、ブラックマジックツアーにご参加されようと思っている方は、読み飛ばすことをお勧めします。読み飛ばす方は、こちらをクリックしてください。)
今回のツアーは怖いパートと楽しいパートの2つに分かれているそうです。
入り口を入りしばらく進むと、奥に大きなバニアンツリーの木がみえてきます。そしてどこからともなくおどろおどろしい雄叫びが。。。エリックによると、見張りが、外来者が来たことを村人に伝える警戒の雄叫びだそうです。
(内心、私は20分も待たされて雄叫びも無いよな、と思ってました。。。(笑))
皆がバニアン・ツリーの上に立っている見張りを見つけ写真を撮っていると、、、、
突然物陰から、先住民が大声とともに現れ、私たちを襲いました!
ガイドによると、村人たちは、私たちを怖がらせて村から追い払おうとしているのだそうです。
ひととおり私たちを驚かせると、酋長が彼らを止めに出てきました。そして私たちを歓迎すると言っている、とガイドのエリックが通訳してくれました。
そして見張りが立っていたバニアン・ツリーの下で、バニアン・ツリーの説明を受けます。バニアン・ツリーには雄株と雌株があることや、雌株がどんどん根を横に広げて大きくなっていくのに対し、雄株は一本の木で横には広がっていかないことなどを説明してくれました。
そして、そのバニアン・ツリーをくぐり抜けて、さらに奥へと進んでいきます。。。
ところどころで村人たちが、まだ私たちを驚かせてくるのですが、ひるまずに奥へと進むと、最初の“ブラックマジック”を村人が披露してくれます。
最初のブラックマジックは、何枚も交互に重ねあわせた葉におまじないをかけると、人をも運べる強度になるという“マジック”です。実際に戦闘の際など、傷ついた見方を静かに運ぶためによく用いられた“マジック”とのことでした。手のひら2つ分くらいの葉を、2か所で重ね合わせた後、その上に35㎏くらいの子供が乗りその子供を持ち上げると、柔らかい葉っぱをただ重ねただけにもかかわらず子供の重さを支えることができる強度があるものになるという“マジック”でした。
(私は、心の中で普通に腕で抱えて運ぶだけではダメなのだろうか・・・と思ってしまいました)
さらに奥に進むと、また地面に隠れていた村人が、私たちの足をつかんで驚かせてきます。
もうさすがに慣れてきた皆様は、笑いながら応戦していましたね。その後、エリックが足元を襲うことについての説明をしてくれました。
19世紀にバヌアツに西欧人がはじめて訪れた際、この島ではいまだにカニバリズム(食人俗)の風習が残っていたそうです。敵を喰らうことで敵の強さを自らの体内に取り入れるという考えがあったそうです。
ある日、この島に上陸した白人宣教師を襲った際、その宣教師は命からがら逃げだすことができたのですが、その際、履いていた白い靴が脱げてしまったそうです。先住民はそれまで靴というものを見たことがありませんでしたから、肌と同じ色をした白い靴を身体の一部と考えた先住民は、その靴を焼き食そうとしたそうです。しっかりと焼いて食べようとしたのですが、硬くて全く食べることができなかったそうです。先住民は「なんて強い民族なんだ」と思うようになり、闘ってしまっては敗北すると考え白人と和平の道を進むことにした、という伝説が残っているのだそうです。
お客様からは、もし先に日本人がこの島に到着していて、肌の色と同じ草鞋が食されていたなら、たぶん食べることができたでしょうから、和平はずーっと先になったのかもしれません、という笑い話も出ました。
次に皆さんにご覧いただいたのは愛のブラックマジックでした。これは一緒にツアーに参加していたスペイン人カップルに代表で受けてもらいました。二人の愛を占うマジックで、二人の愛が確かなものならば、マジックをかけた葉はくっついたままになるというものでした。
実際に上手く葉っぱがくっついたので、酋長(役の男性)も思わずドヤ顔をしていましたね(笑)。
さて、愛のブラックマジックのあと、突然酋長から提案が!
ぜひとも私たちのグループの誰かを、新たなこの村の酋長として迎え入れたいので残ってほしいというのです。
スペイン人カップルの男性がやりたそうでしたが、私はぜひとも私たちのグループのリーダー的存在であるSさんにその役を担って頂きたいと思っていましたので、強くSさんにお願いをしました。
推されて受けていただいたSさんを村人たちに預け、私たちは出口のほうへと少し進むと、新たな酋長の就任披露までの時間つぶしのために、民芸品売り場を開いてくれたりしていました。
そしてほどなくバニアン・ツリーの向こうから、大きな雄叫びと歌声が聞こえてきて、新酋長が姿を現したのです!!
最後に、みな大いに盛り上がり、ブラックマジックツアーは無事幕を下ろしました。
アトラクション的な要素が多いとは思いますが、楽しいひと時だったと思います。
さて、午前中ブラックマジックツアーを楽しんだ私たちは、一度ホテルへ戻り昼食をお取りいただきました。そして、タンナ島のホワイトグラス空港から一路国内線で首都のポートビラへと戻りました。
往路とはうって変わって、定刻通りの運航。1分たりとも遅れることなく出発し、着陸も1分も違いませんでした。
途中、上空からは今回行くことができなかったイロマンゴ島もよく見えました。この島はErromangoと書き、エロマンガ島とも呼ばれるため、珍地名の一つとしてテレビなどで紹介されることがある島です。
ポートビラ到着後、一旦ホテルへ。その後、2017年最後のサンセットを洋上から楽しむサンセットクルーズをお楽しみいただきました。
船内では、年に一度のニューイヤー・イブのサンセットクルーズだけあって、気合を入れて軽食が準備されており、思いのほかお腹がいっぱいになりましたね。2017年最後の夕陽はクルーズ船の遥か彼方に沈んでいきました。
クルーズをお楽しみいただいた後、ホテルに戻り夕食。この日の夕食は12月31日ということもありホテル宿泊者は強制的にガラディナーとなるのですが、我々は思いのほかお腹いっぱいになってしまい、すこしブルーな気持ちで会場へ向かいました。
しかし、幸か不幸か私たちはサンセットクルーズに出かけたために遅れて会場に到着したためか、すでに他の宿泊客に食べられてしまったのか、あまり食事は無くある意味残念な夕食となってしまいました。
また、ホテル側の配慮不足による事故もあり、皆様にはせっかくのガラディナーをあまりお楽しみいただけなかったのではないでしょうか。ホテルを選定した側の者として、心よりお詫び申し上げます。
ガラディナーの夕食のあと、2日目に見たファイアーダンスショーを再度ご覧いただき、翌日の早朝発に向け早めに就寝いただきました。